ひだすずめについて
飛騨の冬は、厳しい寒さと、しんしんと降り積もる雪で、辺り一面まっしろな世界に包まれます。
その過酷な環境の中でも、小さな体で一生懸命に生きているすずめ達。
そんな、ひだすずめの暮らしぶりを、お伝えしていきます。
ひだすずめの春
飛騨の春は遅く、4月の中旬に桜が咲き、桜に雪が積もることもあるほどです。
ですが、だんだんと温かい日が増え過ごしやすくなり、こころなしかすずめ達の顔も、うれしそうに目に映ります。
春はすずめ達にとって、子育てのスタートシーズン。
雛のごはん探しで、とても忙しい時期の始まりでもあります。
ひだすずめの夏
飛騨は標高が高く山林が多い土地ですが、四方を山に囲まれた盆地の為、意外に夏は、とても暑いです。
そのかわり湿度は低めなので、日陰に入ると涼しく感じられます。
そんな暑い中でも、すずめ達は子すずめのために一生懸命ごはん探しをしています。
この時期は、体もほっそりとして口をたえず開けながら、とても暑そうに過ごしています。
ひだすずめの秋
飛騨の秋は、山林が多いため、紅葉がとてもきれいです。
特に、山並みにかかっていたもやが晴れていくときの、山の緑と紅葉のグラデーションがとてもきれいです。
秋と言えば食欲の秋、飛騨でもお米がとれる季節です。
そんな美味しい新米を人間より先に、うまうまでチュン!と食べに来るのがすずめ達。
ときには下から眺めてみたり、飛びついて味わってみたりと嬉しそうに食べています。
ですが、すずめに交じって、ムクドリやハトなんかも、ちゃっかり食べに来ています。
ひだすずめの冬
飛騨の冬は、積雪が多い年では、すべてが雪の下に埋もれてしまいます。
そんな時、ひだすずめ達は、樹木や岩に生えている苔や木の芽などを食べているようです。
驚きなのがとても寒い日であっても、水浴びをしています。
やっぱりきれい好きなのかな?謎が深まるばかりです。
冬のすずめは、羽毛に空気を溜め込んで、ふっくらまん丸になることで防寒しています。
そのようなすずめを「ふくらすずめ」といい、福来雀や福良雀と書くようにとても縁起がいいとされています。
すずめ達にとっては、とても厳しい時期ですが、人間にとって、とてもかわいいすずめ達に会えるこの時期が、待ち遠しくなってしまいます。